白衣の天使
ガンで夫を亡くした女性が
「あの人たちは本当に天使なの。人の生命に携わっている人は、ふつうの人とはぜんぜん違うの。私は看護師さんのおかげで立っていられた。天職なのよね。神に仕える人みたいだった」
と涙をこぼしながら言っていた。
そして、心の底からこう訴えたのだ。
この日本は看護師という職業の地位が低すぎる。
絶対に彼女たちの地位や収入を向上させないといけない。
若い女性たちが競って"看護師にたりたい"と思う国にならないと、本当にまずいと。
「齋藤さーん、どうですか?」
まだ学生の頃だから、20年近くも前のことになるが、2週間ほど入院生活をした。
じつはその時のやさしく美しい看護師さんの声の響きが、いまだ耳の奥に残っているのである。
弱っている時のやさしさ、人にとって、それ以上の喜びはないことが、よくわかる。
わずか2週間であるが、毎日聞いていたあの声は、私の中でおそらく一生消えないだろう。
それもまた、女冥利に尽きることだと思うが、どうだろう。